あなたはこんな人?
- ネイティブの会話が全く聞き取れない
- TOEICなどのスコアはそこそこあるが全く喋れない
- 目標はネイティブのように英語を話すこと!
長期間英語を勉強しているけど最近伸びを感じない…そこで、いま注目を集めているイマージョンラーニングという学習方法に目をつける方は多いと思います。
では、イマージョンラーニングとは具体的に何をするのか?
調べてみると注目度は高いですが、未だ日本ではまとまった情報や方法が公開されていないと感じました。
そこで、「Matt VS Japan」「CHADSのニック兄さん」など、イマージョン学習のエキスパートの知見を参考にしつつ、英語イマージョンラーニングのやり方をまとめました。
イマージョンラーニングとは?赤ちゃんから再スタート!?
イマージョン学習は近年注目を受け、日本でもこれを応用したバイリンガル教育「イマージョン教育」を採用する小中学校も出てきています。
イマージョンとは(Immersion = 浸すこと)の意味です。対象となる環境や文化に完全に没頭することにより、自然な学習と理解を促進します。
具体的にやる事は「毎日数時間以上、英語を継続的に聞き続ける」という至ってシンプルなものです(※細かなやり方は後述)
根気のいる学習方法ですね。本当に効果があるのかしら?
英語圏で産まれた赤ちゃんを想像してください。彼らは自然と英語を覚え、英語で喋り始め、そしてマスターしていきます。
別に教科書で勉強したり、話す練習をしているわけではありません。
これは数年かけてコツコツと正しい英語を大量にインプットした結果、喋れるようになっただけというのです。
え?そうなの?
そもそもインプット不足という衝撃!!
僕が学生の頃、学校では英文読解には力を入れていましたが、発音やリスニングといった『音』に関わる部分のインプットは蔑ろにしていました。
この状態で英会話をやっても、自分の少ない知識と間違った感覚で、こねくり回したような英会話になってしまうのは当然ですよね。。。
さらにネイティブは毎日11時間は英語に触れているらしいですが、こちらは1日1時間も触れていません…
そんな状態でネイティブのように喋れるわけがないのです。
スピーキングの練習不足が原因で喋れないと主張する方もいますが、まず聴けないと会話のキャッチボールはできませんし、正しい発音を知らなければ伝えることもできません。
僕たちは圧倒的に英語を聴く時間(インプット)が短かったんだ…
イマージョンラーニングのメリット3選
イマージョンラーニングは大量のインプットを行った結果、ネイティブの感覚で英語を使いこなすことができるのが最大のメリットです。
注意点としては、大学受験やTOEIC対策などの資格試験対策としては、時間がかかりすぎて非効率な面も大きいという所です。
本気で英語をしゃべりたい人向けの勉強法ですね。
ネイティブに近い表現力が身に付く
莫大なインプットをすることで、ネイティブの感覚を理解できるようになり、表現力の豊かさや正確性が養われます。
みなさんは日本語を英訳したときに、ニュアンス的がおかしかったり、この時はこう表現するんだよ!と間違った経験はありませんか?
「なぜそうなるのか?」と聞いても「そういうものだから」と返されませんでしたか?
そう、そういうものなんです。
自分の母国語(日本語)に置き換えたらわかりやすいですよね。外国人になぜ日本語に「Aさんは…」「Aさんが…」の違いは何か聞かれても、そういうものとしか返せないですよね。笑
ネイティブ特有の「そいうもの」を感覚的に理解し、使いこなせるようになれます。
ネイティブに近い発音が身に付く
大量のインプットをすることで、ネイティブの発音ができるようになります。
発音は、発音記号の理解や発声練習などでも改善されますが、イマージョンをすれば聞いたことのある音をそのまま真似するだけで正しい発音でしゃべることができます。
これは英語圏で産まれた赤ちゃんが、正しい発音で英語をマスターできることを考えれば自然なことだと思えるはずです。
また、多くの日本人は十分なインプットが不足している状態で文章を読むため、間違った発音で(頭の中でも)繰り返し読み上げてしまい、間違って定着して苦しんでしまう人が多いようです。
イマージョンのエキスパートであるマットさんによると、中途半端なインプットで英会話や文章読解などをすると、逆に良くないと警笛を鳴らしています。
実は挫折しづらい
イマージョンラーニングは、映画、音楽、ポッドキャストなど、なんでも良いので自分の好きな英語コンテンツを聞き続ければ良いだけです。
「学習」というより、人によっては「娯楽」と言えるのではないでしょうか。
最初は全くわからないので、繰り返し見直す必要がありますが、自分の好きなコンテンツだと興味を持って調べたり視聴できるので、さほどストレスなく長時間続けれます。
毎日長時間を数年かけて学習するため、挫折しそうですが、実は挫折しづらいのもイマージョンラーニングのメリットです。
イマージョンラーニングのデメリット4選
毎日継続すること
英語イマージョンは最低でも毎日1~3時間は英語のインプットに割く必要があります。
初っ端からめちゃくちゃハードルが高いですが、腹を括ってください。笑
ぶっちゃけ、なんとなく見ているインスタやX、Youtubeなどを一切辞めれば時間を作れる人はそこそこいると思います。
毎日継続はキツそうですが、挫折しづらい勉強法として定評があります。
一度やり始めたら簡単に継続できるかも!?
効果が出るまで時間が必要
英会話の段階になるまで、まず数千時間の英語のインプットが必要とのこと。
1日に3時間聴き続けたとしても、約1年でようやく1000時間程度です。
最低でも数年間は耐えて聴き続ける必要があります。
何か勉強し始めると早く成果を得たい気持ちが出てくると思います。しかし、時間が必要な勉強法だと割り切って取り組むことが大事になります。
聞き流しだけはNG
イマージョンラーニングでは、全ての文章に対して、すべての単語を調べたり、常に集中して聞き取れるまで繰り返す必要はありません。
しかし、常に聞き流している場合は成長しません。
注意して聴くことと、リラックスして聴くことをバランス良くやっていく必要があります。
爆速で成長したいなら、すべてのわからない単語を都度リストアップし、ネイティブの発声を聞き取れるようになるまで繰り返し練習するのが最速でしょう。
しかし、やってみるとわかりますが、それを続けるのは本当に辛くて耐えれません。
なので「聞き流しすぎてるな」と思ったら危険信号くらいに思って、気長に取り組む姿勢を忘れないようにしましょう。
ガチ初心者には厳しそう
イマージョンラーニングは、自分の興味のある分野だから挫折しづらいと言いましたが、ガチガチの初心者は厳しいと感じます。
本当に最低限、以下の知識を持っておいた方が良いでしょう。
- 基礎英単語1000語以上を習得
- 中学生レベルの文法を習得
あまりにもレベルが低すぎると、単語の復習時間が長なりすぎてストレスになったり、自分に合ったコンテンツを見つけるのが難しくなります。
さらに、わからない英語を聴き続ける根気も、中〜上級者に比べるとはるかに必要です。
もちろん初心者でも効果はあると思いますが、短期のコーチング英会話を利用、たまにオンライン英会話したりするなどして、英語を楽しんで学習し続ける工夫がより必要になってくるでしょう。
イマージョンラーニングだけでは話せない
イマージョンラーニングだけで完璧に話すことはできません。
個人的には「引きこもりが久しぶりに外に出て、コンビニの店員さんと話そうにもうまく言葉が出てこない。」みたいな状態だと思ってます。笑
ただし、ハイレベルなリスニング力や正しい発音は備わっているので、スピーキングの練習をすれば一気に成長することでしょう。
この段階になって、オンライン英会話を利用するのがおすすめと言えますね。
イマージョンラーニングを始めたきっかけ
オンライン英会話では突破できない壁を感じた
- 発音が全くに良くなったと感じない
- 毎回同じようなフレーズばかり言ってしまう
- 一時的にスコアが上がっても、すぐに下がってしまう
正直、オンライン英会話だけでも、TOEIC785, Versant 46ぐらいは到達できたので、海外旅行を楽しんで帰ってくる程度なら問題なくできます。
しかし、ネイティブの会話スピードにはついていけないし、自分の思ったことを瞬間的に出すことはできませんでした。
さらに最近、オンライン英会話を続けても、今の低いレベルを維持することで精一杯のように感じてきました。
そんな時にイマージョンラーニングを知り、「中途半端な知識のまま続けると、特に発音では間違いをし続ける」というマットさんのご意見を聞き、思い切って切り替えることにしました。
引用:Rupa sensei
まだまだインプットが足りていないと感じました。
イマージョンラーニングは大人にとって最適だと思った
大人になったら家事や仕事で時間がなく、一見するとイマージョンは大人にとって難しい勉強法だと感じる人が多いようです。
しかし、僕はこう思いました。
30代になったら2~3年なんてすぐに過ぎるから、習慣化さえ確立できれば勝手に成長しそう!
皆さんも10代や20代の時は「短時間で成長したい!」という気持ちが先走って、すぐに心が折れたり挑戦しなくなった経験はありませんか?
でも、年を取るにつれて時間感覚が短くなるので、コツコツやるのがそれほど苦痛ではなくなりませんか?(僕だけでしょうか笑)
今までの勉強法を一回捨てて別のことをする怖さはありますが、「変わりたい」と思って、勇気を出してイマージョンを取り組むことにしました。
英語イマージョンラーニングのやり方を解説!
準備するもの(したら良いもの)
無料で視聴できるYoutube動画やポッドキャストのみでもできますが、課金した方がより面白く勉強になるコンテンツを視聴することができるので、個人的にはお金をかけて準備するのがおすすめです。
Netflix(有料)
コンテンツ配信サービスは多数ありますが、Netflixだけは絶対に外せません。
- 配信コンテンツがとにかく面白い
- 英語字幕に対応している
- フレーズ毎に聞き返せるプラグイン「Language Reactor」が超便利!
誰にとっても最適な英語学習教材がここにある!と言っても過言ではないと思います。
また、Google Chromeに「Language Reactor」というプラグインを追加することで、ワンフレーズ毎に停止し、ショートカットキーで繰り返し再生といったことも可能です。
同じ部分を何度もすぐに聞き返せるので、最高のリスニングツールです!
Youtube(無料)
Netflixと同様に、イマージョンに使える英語コンテンツを探すことができます。
- 好きなYoutuberを視聴して勉強できる
- フレーズ毎に聞き返せるプラグイン「Language Reactor」が使える!
コンテンツによっては英語字幕の精度が劣るものがあり、Netflixより注意が必要ですが、間違いなく無料で勉強できる最強ツールといえます。
ちなみにNetflixと同様に「Language Reactor」が使用できるので、フレーズ毎に繰り返し聴くことも可能です。
英語学習用の専用アカウントを作るのがおすすめです。YoutubeのAIが面白そうな英語コンテンツを提案してくれますし、日本語のYoutube動画に脱線することも防いでくれます。
イマージョンにおすすめのYoutubeチャンネル
ちなみに僕はYoutube Premium会員です。無料だと広告が鬱陶しいので。
本気で集中してイマージョンしたい人は、課金して広告消した方がストレスなくリスニングできます。
VPNサービス(有料)
簡単に説明すると、このサービスによって海外版のNetflixやYoutubeにアクセスすることが可能になります。
例えば、海外のNetflixを使えれば、日本より英語のコンテンツが豊富あるため、自分の興味のある作品が見つけやすかったりします。
また、日本の「ジブリ作品」や「ポケットモンスター」といったアニメは、日本版では視聴できないが、海外では視聴できるといった場合もあります。
知っているアニメは面白く見れるのでイマージョンにはおすすめです!
加えて、VPNサービスを利用することで、NetflixやYoutube Premiumのサブスク料金を安くすることも可能です。
例)
Netflix:月額1,490円(日本)のところ、月額約842円(トルコ)で利用可能
Youtube Premium:月額1,280円(日本)のところ、月額約283円(トルコ)で利用可能
これらサービスの料金は国によって違っており、VPNを使えば安い国からアクセスしたとみなされ、現地料金でアカウントを作れるのです。(合法です)
僕は「
イマージョンラーニング向けのVPSについての解説、NordVPSの契約の仕方について、詳しくは下記記事で解説しています。
ポッドキャスト(無料)
音声配信アプリです。
動画と違って音だけを聞くので理解が難しくなりますが、動画ばかり見ていると目が疲れるので、よく聞いています。
簡単なフレーズやゆっくりと喋ってくれるコンテンツもありますが、ある程度英語が聞けるレベルでなければ厳しいかと思います。
英語の文字起こしの精度は非常に高いので、わからなければ確認しつつ進めることも可能です。
ANKI(IOSのみ有料)
単語やフレーズなどの暗記に使用できるアプリです。人の忘却曲線に基づいて最適なタイミングで復習できるので、定着率が高いと評判のアプリです。
WEB,Androidでは無料ですが、IOSのみ有料(3,500円)になります。
ワイヤレスイヤホン
通勤中や家事の最中でもワイヤレスイヤホンがあれば、めちゃくちゃ聞きやすいです。
ポイントは適当なワイヤレスイヤホンではなく、値段が少々高くてもAir Pods Proなど音質がしっかりしたイヤホンを買っておいた方が継続できると思います。
英語イマージョンラーニングの学習ステップ
①Netflixで視聴しまくる
毎日まとまった時間動画を視聴します。
可能な限りセンテンス毎にしっかりとリスニングを進めますが、少しでも嫌になったら流して視聴します。(※英語字幕ありで7~8割わかる状態です)
センテンス毎の繰り返しは「Language Reactor」を使えばとても簡単に実現できます。NetflixやYoutubeを使って語学学習できるGoogle Chromeのプラグインで、基本は無料で利用することができます。
わからなさすぎると英語コンテンツのレベルを下げましょう。
②同じ動画を何度も視聴する
同じ動画を何度も繰り返して視聴します。
回数を重ねる度に聞こえなかったフレーズが徐々に聞こえるようになってきます。
※体感的にセンテンス毎にしっかりと傾聴した部分はより理解できると感じています。
③スキマ時間にAnkiで単語の復習をする
動画視聴中にわからなかった単語はAnkiに登録し、スキマ時間で復習します。
毎日10個はリストアップするように心がけましょう。
1日10個は少ないように感じるかもしれませんが、7日経過してからは1日約70個の単語を確認することになるので十分な量といえます。
また、単語は「音から意味を理解できる」という覚え方をしています。
具体的には、Ankiアプリで単語の音を聞き、それから意味を理解するように心がけています。
文字を読んで意味を理解しても、聞き取れなければ意味がないからです。
この部分もLanguage Reactorを使うことで、オリジナルの単語帳作成が比較的簡単にできます。
使い方の詳細は省きますが、このプラグインを使うと、覚えたい単語やフレーズなど抽出でき、音声データを含めてエクスポートすることができます。
このデータをAnkiにインポートすると、音声を含めた単語帳が完成します。そこから手動で編集し、音声データから覚えるオリジナルの単語帳を作成しています。
音から単語を覚えるのが大事ですからね!
Language Reactorではオリジナル言語の場合は、動画内の音声がエクスポートされますが、それ以外の言語では機械音声がエクスポートされます。
実際にネイティブの喋っている音声でトレーニングした方が、スピード感はもちろん音の脱落なども含めたリスニングが可能です。
英語イマージョンラーニング継続のコツ
自分の力量を過大評価しない
イマージョンの始める人の多くは、自分の実際の英語スキルを高く評価してしまうことで、英語コンテンツを視聴して理解できない状態に絶望し、諦める傾向があるそうです。
おすすめのコンテンツは「大体意味はわかるけど、もうちょっと頑張ればわかりそう」というレベル。
自称中級者の大人の方でも、幼児向けの「ディズニーシリーズ」や「おさるのジョージ」が適正レベルかもしれません。
そうなると少し悲観する気持ちもわかりますが、あまり気にせずに淡々と続けるのがポイントです。
英語字幕はつけた方が良い(日本語字幕はダメ)
最初の頃は英語字幕なしで聴き続けても、全く理解できずぼーっとなるだけなので良くありません。
なので英語字幕は表示します。
ですが、字幕を表示していても、可能な限り音声から情報をキャッチできるように意識します。
初心者・・・字幕:音声 = 8:2
中級者・・・字幕:音声 = 5:5
上級者・・・字幕:音声 = 2:8
同じコンテンツを繰り返すとどんどん聞こえるようになってくるので、字幕を見る割合も徐々に下げていきます。
最初は「できなくて当然」「最初は仕方ない」と寛大な心で自分を見つめることを心がけた方が良いです。
成長を実感できる機会を設ける
ひたすらわからない英語を聞き続けることは苦痛です。
実際はジワジワ成長していても、自分自身が成長を実感していないと、やる気が無くなって辞めてしまうケースも多いそうです。
そこで、以前あまり理解できなかったコンテンツにもう一度視聴することがおすすめされています。
おそらく前回よりも理解できていると実感できるので、大幅にモチベーションが上がることができるようです。
実践中のタイムスケジュールを紹介します
- 7時~8時朝ごはんや準備をしながら、Netflixの英語コンテンツを視聴
- 8時〜9時通勤中のNetflixの英語コンテンツを視聴
- 9時〜12時半仕事
- 12時半〜13時半Ankiを使った単語の復習
- 13時半〜18時仕事
- 18~19時帰宅中に英語でNetflixを視聴
- 19時〜21時夜ごはん、家事など
- 21時〜23時Netflixの英語コンテンツを視聴
今の所、毎日5時間は英語コンテンツを視聴しています。イマージョンの目標は毎日1~3時間とされていますが、ネイティブは毎日平均11時間英語に触れているらしいので、これでも足りないくらいです。
とにかく隙間時間があれば英語で埋めるように意識して取り組んでいます。
経過はまたブログで更新できればと思います。
まとめ
イマージョンラーニングは時間が必要かつ実践者が少ないので「本当に成長できるのか?」と不安で調べている方も多いと思います。
しかし、僕自身、イマージョンラーニングについて調べて実践していますが、最強の学習方法ではないかと思っています。
なぜ今までこの方法が普及しなかったのか?それはやりたくてもできる環境ではなかったからでしょう。
近年、テクノロジーの進化によってYoutubeやNetflixなど、簡単に、安くネイティブの英語を聴け、現地の文化や感覚など体験できる機会が爆増しました。
この結果、イマージョンラーニングのような学習方法ができる時代になった。と言えるのではないでしょうか。
大人でも諦める必要なし!英語学習の環境は飛躍的に良くなっています!